- 屋久島の島人 - 2005.10.24 3日間をかけて、屋久島の真ん中にある宮之浦岳を越え縦走してきた。
しかし、最終日にバスの発車時刻まで、3時間も待たなくてはいけない状況となった。 少しシーズンオフなので、幾分交通が不便になっているのは仕方ないが困ったものだ。 携帯電話でタクシーでも呼ぼうかと思ったが、見事に電波が届かない。 じっとしているのもいやなので、舗装された山道をとりあえず歩く。 とりあえず歩くといっても、街まで18キロもあるから、下山して疲れた体には答える。 途中で、電波が入るか、車が通ったらヒッチハイクでもするかと、ほとんど投げやりだったかな。 しかし、すこし歩いたところで見つけたのは、一台の観光バス。 バスには客がいなく、寝ていた運転手を起こし、交渉してみると近くのバス停まで送ってくれるとの事。 そのバス停から、すぐ町に降りるバスがあるので、そこまで乗せていってくれると言う。 バスは屋久杉を見に行った、観光客を待っていたのだ。 バスの運転手は若い兄ちゃんで、最後いくらかお金を渡そうとしたが、「別にいりませんよ」だって。 ラッキーと言うか、ありがたかったなあ。僕らは何とか早い時間で安房の町まで降りた。 町とは言っても、電車の駅があるわけでも無いし、いったいどこが中心部だろうといった感じ。 ここから宿に行くまではまたバスに乗り換える。 少し空き時間があったので、適当に散策すると、やはり東京とは違う時間の流れが感じられる。 大きなザックを背負っていた僕らに「lこんちは」と言ってくる子供達や、地元らしきの人達。 間違いなく僕らは部外者なんだよね。 宿とそこから見える広大な海 宿の後ろに見えるのはモッチョム岳と、前には海が見える。 それ以外何も無いところ。 とりえあえず食事の時間まで海に行ってみる。 しかし、そこまで行くのにやたらとクモの巣が多い。 海までは降りることが出来なかった。そこは断崖絶壁で、下は磯場になっているみたいだ。 屋久杉の工芸品屋 近くにいい感じのお店があった。屋久杉の工芸品である。
店主に聞くと、今日は街の運動会だったのだが、夕方から店を開けたのだと。 僕は運良くお土産を買えたのだけど、なんともマイペースな感じがいい。これも島のペースだろうね。 島で良く獲れるトッピー(トビウオの事)のさつま揚げを頂く。
宿主は、食事前に僕らを含め、泊っている人全員の出身地と名前を、暗記し紹介してくれた。 愛知から来た、もう5回も泊っている常連さん。でもこの方は、まだ一度も屋久杉を見に行ってない。 それよりも島に来て何もしないでゆっくりするのが良いんだって。それはそれで贅沢だな。 もう二週間も宿に泊っている女の子。しかも一人。 アメリカからきた女性も居た。 イギリスから、ヨーロッパ、ロシアを旅し、日本に来たウィルさん。 これから台湾、ニュージーランドに行くみたいだ。適当な英語でしゃべってみたが、通じたかどうか分からない。 埼玉から来た青年は4日間休みを取り、とりあえず島に来て明日から何をしようかと迷っていた。 それと、アメリカ人と日本人のカップル。 屋久島は、海外の人にも魅力的なのだ。 夜は近くの温泉。 真っ暗な道を歩いて温泉に行く。 本当に真っ暗で、もう暗くなったら家で大人しくするしかないといった感じだ。 その帰り道、宿に通じる近道の林で、足の親指がチクっとした。 ライトをあてると、何やらミミズか、小さな蛇かムカデか何かが、チョロチョロと逃げていくのが見えた。 な、な、なんだ、なんだ!あれは! 足の親指に激痛が走る。 刺された! 僕の相棒も、山で転んでビッコを引いていたので、二人して片足を引きずり逃げる。 何かその姿がこっけいで、怖さと面白さ半分で、宿に駆け込んだ。 宿の主人いわく、たまに寝てる時に刺される事もあるみたいだ。 僕は夜の12時くらいまで、激痛に耐え布団に包まっていたが、何とか朝には治った。 それが何かいまだに分からないが、多分ヤスデか何かだと思う。 毒がなくて良かったけど、運が悪かったな。 島滞在の最後の日は、カヤックとシュノーケリングをした。 シーカヤックには一人用と二人用がある。 一人用の川用のやつは、クルクルと安定性はわるいが、小回りが効く。 二人用は、主に海に出るもので安定性があるが、小回りが効かない。 乗っていて面白いのはもちろん一人用のもの。難しいけどね。 むちゃくちゃ綺麗な川を上っていく。 よく見ると岩にハゼみたいなのがいる ハタから見ると、カヌーは優雅に見えるが、結構疲れる。 中州で焼きトビウオと野菜炒めのスペシャルランチを頂いたく。 スモールタックルで、ギンガメアジを狙ったが、何も反応が無かった。 次回来ることがあれば、本格的に狙ってみたい。 最後チェイスがあったんだけど なかなか思うように行かないけど面白いのだ 午後からは、浅い磯場に潜る。 それにしても、この日は実に天気が良く、エックスランダーの表示では31度と気温も高い。 こういう天気は、屋久島では珍しい。 何気ない磯場だが 潜ると別世界 水中眼鏡を通してみる海の中は、まるで別世界。 赤やら青い熱帯魚、ボラやベラいろんな魚が泳いでいる。 特に駆け上がりは、さすがに魚が着いていた。 それらをずっと顔をつけながら、漂っていると、まるで空を飛んでいるみたいだ。 たまに魚がこちらを向いていた「ん?なんだ?」と目と目が合う時なんか、おかしくて水を飲みそうになった。 岸に上がると、体が重く、思っていたよりも体力を使う。 出来れば、水中の青さを写真に収めたかったが、それが出来ないことが少し残念。 屋久島は、世界遺産に登録されてから、いろいろな場所から人が来るようになったという。 それは観光客であったり、島に魅せられ住み着いてしまう人であったり。 なので、他も島と比べると、人口も横ばいと言うわけだ。 もし、世界遺産に登録されていなければ、人口はもっと減っていただろう。 それが良いか、悪いかは分からない。 いずれにしても、島の自然や、島の人たちの温もりを、これからも残しておかなければならない。 日本には、そういった島が沢山あるのだ。 もどる |