- 雲の上の庭園 -
2003.8.29
北アルプスの中心部。雲ノ平。
ここはまさに別天地、楽園と言っていいだろう。
3日間を使い、30キロ以上もの距離を歩く。
そこにはいろいろな名の庭園が広がっている。
日本庭園、スイス庭園、アラスカ庭園、ギリシャ庭園。
周りは3000メータークラスの名峰が連なる。
その中心部にたどり着くためには、いくつもの峠や沢を越えなくてはならない。
8月は天候があやふやで、なかなか決行のタイミングがつかめない。
1日目の天候は良く晴れてくれた。
雲ノ平の手前の沢にある、薬師沢小屋まで行く。
イワナやヤマメを狙う釣り人が、多数泊まっていた。
夜明け前、この沢から一気に高度を上げ、メインの雲ノ平へ。
樹林帯の急登でその斜面が緩くなると、最初の庭園のアラスカ庭園となる。
少し天候が怪しく成ってきたが、やはり素晴らしい景観だ。
庭園ゾーンでは遊歩道がある
道の脇には、チングルマなどの高山植物などが咲いている。
遠くに見える雲ノ平山荘の赤い屋根と、その向こうの白い山とのコントラスト。
登りはじめからチラチラと見えていた水晶岳は、名前の通り美しい。
歩くたびに周りの景観が変わる。
その景観はどこまでも広大だ。
水晶岳
いくつかのガレ場を越え鷲羽岳に上る。
鷲羽岳の稜線
見晴らしの良い稜線がずっと続いている。
この辺から、少し霧が出てきた。
せっかくの頂上ではこのガスのせいで、槍ヶ岳の景観は見えなかった。
暗くなってきたので長い長い稜線を下り、三俣山荘に急ぐ。
鷲羽池。雲が無ければ凄い風景なのだけど...
3日目の朝目が覚めると、外は物凄い嵐だ。
吹き荒れる突風と豪雨が行く手をさえぎる。
山の天気は変わりやすいものだ。
それでも今日中に下山しなくてはならない。
すこし怖いが、目的地のゴールまで黙々と歩く。
何も見えない
この日はほとんど景色も見えず、ただ歩いているだけであった。
しかし、無事に下山できて何よりだ。服や靴の中はびしょびしょになってしまった。
冷え切った体を温泉で温める。
山の方を見ると、そこだけ雲が掛かっている。どうも雨が降っているのは、山の上の方だけらしい。
それにしても相当な距離を歩いたことになる。
別天地への近道は無いのだ。
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