- 塔の岳のチャンピオン -


2004.3.5


山登りは天候によって楽しいかそうでは無いかが決まる。
今回の丹沢縦走は、見事な回復ぶりだった。

まず1日目は一気に丹沢付近まで行こうと予定していたが、いろいろトラブルが有り手前の塔ノ岳で1泊することにする。
塔の岳の山荘までは、大山や丹沢などの山々を見ながら登って行く。





天気も良く、そのせいか雪が溶け道が泥だらけだ。

頂上付近の道で、いきなり雄鹿が道を横切っていったので驚く。
良く見ると柵がいたるところに張っており、平地から追いやられた鹿が、餌を求め山に登ってきたために木の食害を防ぐ為の物だそうだ。
鹿の世界もいろいろと大変なのだ。





 
途中のパノラマを見て低山もなかなか捨てたものではないなと思い、塔の岳山頂の尊仏山荘に着く。

山荘には我々と一人の客しか居なかった。
夕食のカレーと豚汁(実にうまかった)を食べながらいろいろ話をすると、その人は年に400回以上この塔の岳に登るとの事。
何と仕事が終わってからヒョイっと登り、夕飯を食べてからササっと降りるのだ(この山は訓練の山だとか)。
彼の格好は短パンにスパッツと軽装備で、登山者ではなくランナーなのだ。
だからこの寒くて暗い山の夜道でも、大きな懐中電灯片手に走って上り下りする。
休みの日には2,3往復するとの事で、世の中にはいろいろな人が居るものだと思った。
今度某山関係の雑誌に出るらしい。
笑えたのは、山荘の日誌にほとんど毎日’塔の岳のチャンピオン参上’と記入してあった。
800回ぐらいから’塔の岳の世界チャンピオン’になっていた。





 
夜半過ぎから風がかなり強くなり、風の音はうるさいし寒いしなかなか寝付けなかった。
2日目朝起きても風はやまず、外はブリザード状態。
少し山荘で待っていたが一向に風が弱まらないので、丹沢山をあきらめ下山することにした。
山荘を後にし下山すると、すこし青空が見えた。
ここは、がんばって丹沢を目指すかと引き返す。
やはり1500メーターの頂上付近は、風に寄りかかれるほどの強風と視界の悪さ。
あたりの木々は樹氷になっている。





しかし次第に空が回復してきて青空が見え出し富士山も見えてくる。
山の天気はわからないもので、風も弱まりみごと天気も快晴になり、引き返してよかったと思う。



青空が戻ってきて引き返す





関東平野も一望でき、房総、三浦、江ノ島から平塚、伊豆半島までみえる。
空も青く、樹氷の白さがとてもきれいだ。
最終の蛭が岳を目指し雪が積もる尾根を歩くも、やはり上りはしんどい。
冬山は動けば熱いし、止まれば寒いといった所なのだ。





息を切らしやっと蛭が岳のピークに到着。
大パノラマを見ながら300円のコーラを飲む。
1600メーターとはいえ雲の下なのだ。
すこし雲がかかっていて南アルプスは見えなかったけど、展望と天候の回復に感謝。
朝遅く出て行ったため、ルートを変更して下山する。

 
下山の方角が北側であったため雪の積もった道を滑りながら降りる。
途中道標がおかしく、たぶんその辺りで迷ったらしいのだがルートを外れてしまい、かなりワイルドなコースを降りるはめになる。
 
ゴールの宮ヶ瀬湖に着くき、満月とそよ風が疲れた体を癒してくれた。
2日目はかなり歩いたけど、途中間食しながらの下山であったのか前回よりも疲れなかった。



さわやかな風と月明かり


登山というものは、いろいろな場面で決断を迫られるものだ。







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