- モルゲンロート -

2004.8.12


蝶ヶ岳のヒュッテで夕方の天気予報に、登山客が歓声を上げた。
明日の長野県全域の天気は、高気圧に覆われ快晴らしい。
 
 
1日目の朝は何とか晴れているといった感じだった。
沢沿いを常念小屋を目指し登ってゆく。
高く見える山は何の山なのかわからないが、メインのアルプスはその向こう側に広がっているみたいだ。
 
上流から流れて来る沢の水がとてもきれいだ。
下山してくる対向者から「あと少し」と言うが、なかなか展望が開けてこない。
ようやく最初の目的地である常念小屋に到達し、展望が一気に開けた。
その小屋の後ろ側には槍ヶ岳が聳え立っていて、疲れを忘れさせてくれる光景が広がっている。
槍ヶ岳をまじまじと見たのはこれが初めてだったので、苦労して登ってきたせいかかなり感動した。






しかし、その感動も雲によってかき消されてしまった。
またもや、ガスがはっせいしてきたのだ。
とりあえず一瞬の光景であったが、これ以降この日は雲が取れなかった。



さらに常念の山頂まで目指す。
その眼下を見下ろすと広大なアルプスの景色が広がっていて、音も全く無くまさに心があらわれると言った光景だ。
それしか言いようが無い。








だがそれと比例して、岩場の急斜面はかなり体力を使う。
山頂で雲が取れないかとしばし待つが、一向に取れない。
ここではすごいパノラマが期待できた分だけ残念だ。
山頂から稜線にかけては、穂高連峰が一望できる。
だが、雲がかかっていて、その山肌を見ることはできなかった。



常念岳


最初は、甘く見ていた常念から蝶が岳への縦走はかなり長く、とても疲れた。
峠をいくつか越え、やっと蝶が岳ヒュッテに着いた頃は夕方だった。
朝から11時間歩きっぱなしであった為、足はがくがくだ。
食事をし(晩飯はウナギだった)夕涼みをし外に出てみるが、雲はまだある。
他の登山者は、昨日もその前も雷雨があったが、今日は無かったのでまだ良いほうなのだろうと話していた。









 
 
2日目の早朝外に出ると、見事な雲海が広がっていた。
上空は雲ひとつ無い晴天で、一夜にして昨日の雲が全部はけたのだ。





朝日が昇ると共に、後ろに聳え立つ穂高連峰が、徐々に赤く染まってゆく。
これもすごい光景で写真を撮るのが忙しい。



赤く染まる穂高


実は今回の山行はこの光景を見る事が目的だった為、非常に幸運だった。
この景色を目の前にしながら食べる朝食は、いくら賞味期限切れのおにぎりでさえ、贅沢なものになってしまう。





 
蝶が岳を下山し、次は穂高の中心部にある涸沢カールへと向かう。
それにしても天気がよく、まさに山行日和だ。
涸沢へ行くコースは、日本とは思えない美しいルートだ。
むき出しの巨大な岩肌や、豪快な山の斜面、その間を流れる水色の沢、木漏れ日。
どれを取っても文句のつけようが無い。被写体だらけだが、時間に余裕が無いので先を急ぐ。









涸沢カールは360度山に囲まれていて、ここから穂高岳に登るスタート地点と思うと、この山に登るのはかなり大変なのだろうと思う。





徳沢へのパノラマコースは、名前のとおり景色はすごいが、道もすごい。
崖有り、岩場あり、猿有り。
しかもこいつがかなり長く、ふもとが見えるのになかなか着かない。
日差しもかなり強く、下り道と言っても岩場なのできついのだ。
テントを担いだ登山者が居たが、登りは地獄だよ。






何とかゴールの上高地に着いたのは良いが、体は筋肉痛と日焼けで所々痛い。
3日かけるコースを2日間でやったから仕方ないが、久々に疲れた。
コンクリートの道がなんて歩きやすいのだろうと思ったくらいだ。
 
 
それにしても北アルプスは素晴らしい所だ。
写真で表現する事なんて到底出来ないな。
 









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