- 永遠の木(縄文杉編) - 2005.10.21〜24 登山最終日。
3日目は森の中を歩くので、雨でも良いかなと思っていたが、青空が広がっていた。 現に、雨が降ったほうが、森がしっとりとしているからだ。 ろくに朝飯も食べないで、縄文杉を目指し山を降りる。 森には、本州には見られない大きな木や、根や枝が奇妙な形をした木、そういった木が沢山ある。 一体どれくらいの歳月をかけて、今のような形が出来たのだろう。 そして日が当らないところでは、緑色の苔が幻想的だ。 時たま、鹿にも遭遇する。 どちらかと言うと、まだ若い鹿だ。 彼らは、少しだけ僕ら人間に興味があるのか、じっとこちらを見ている。 この森の奥に、彼らの寝床があるのだろう。 木の歩道を、カタカタと音を鳴らしながら進んでいく。 進むたびに大きな木が目立ちだす。 杉は植林されているのもあるが、この辺りはもちろん天然の木だ。 その小さな芽を見る事が出来るが、それが巨木になるまでは、そうとうの歳月がかかるだろう。 気の長い話だ。 縄文杉は太く、見るからに古そうな木だ。 樹齢何年の木かは分からないが、推定3000〜6000年と言われているが、定かではない。 まあ、人間からしてみれば、3000年も6000年も変わらないな。 これから、この木は後何年生き続けるのだろうか? ほとんど永遠の命と思える。 縄文杉 標高が低くなるにつれ、さらに森はうっそうとしてくる。 僕はその風景に惹かれまくり、最後のほうはお腹がいっぱいになるほどだった。 見所が有りすぎるのだ。 木の歩道が終わると、トロッコ列車のレールにぶち当たる。 宮沢賢治の世界のようだ 1970年辺りまでは、杉を採取し、それをトロッコ列車でふもとまで運んでいたらしい。 もちろん今はほとんど廃止になってしまっている(たまに走るみたいだが)。 そのノスタルジックなトロッコ列車のレールを、映画のスタンドバイミーの様に歩く。 昔はこの辺りには集落があったらしく、小学校などもあった。 今は、その校門だけしか残っていなかった。 このレール道を途中までは鼻歌交じりで歩いていたが、これが長い道のりだった。 やっとの事で登山口に着き後ろを振り返る。 そこには長く続くトロッコのレールと、その先にある森から獣の咆哮が響く。 それはまるで、これから何が起こるかわからないよと、アミューズメントパークのアトラクションを思わせる。 やっと着いたがバスが無い。森の中は獣達の鳴き声が響く。 結局僕らは、その場で3時間もバスの発車時刻を待てず、再び山道をある出だした。 ふもとまでどのくらいだ? 地図では18キロと書いてある。 何!? 携帯電話の電波も届かないし、どこかでヒッチハイクでもするか。 僕らの旅は、一体どこまで歩けば終わるのだろうか...。 |