- 鳥と海と山と -


2005.9.24〜25


鳥海山へとトレッキングに行ってきた。
本当は南アルプスへ行くはずであったが、関東全域に低気圧が停滞していたからだ。
その原因である台風は太平洋沖へと進路を変えたが、天候は崩れたままだった。

折角取った休みなので、また台風かと悔しい。
ネットで調べると、秋田などの東北辺りは晴れと言う予報だった。
鳥海山は、来年に登ろうと思っていた山だったが、いい機会だと思い予定を大幅に変えた。
相棒が、半日かけて予定等を組んでくれた。スケジュール作成は物凄く得意なのだ。

仕事を終え、深夜から東京を出発した。



見事な秋晴れだ。地平線に日本海と、風力発電の風車が見える。


良く地図を見ると、鳥海山はかなり遠い。
秋田県と、山形県の県境にある。
僕自身秋田県は初めてだから、遠い所に来たなあと感じてしまう。

予報どおり秋田に着くと、秋の空が広がっていた。
それと広大な日本海。それがどこまでも続いていて水平線になっている。
日本は素晴らしい所だと、改めて思う。



鉾立からみえる山の一部


標高1000メーターの鉾立から登る。
トビが数尾、空高く舞っている。



鳥海山はもっと上だ


1000メーターにして、早くもハイマツなどの高山植物が見られる。
火山の山らしく、豪快な形が良いが、登山道と言うより石畳が整備されている。




秋とは言え、日差しが暑い


後ろを振り向くと、雲と海の地平線が見える。
やはり秋田まで来て良かった。
東京は、低気圧の中なのだろうか。



火山で出来たのだろうか。鳥海湖。


鳥海湖が見える場所まで来た。
小さな山小屋があり、相棒は水を調達しに小屋へと向かった。
すると小銭を持っていなかったらしく、小屋の店主はタダで1リッターも水を分けてくれた。
それも雨水とかでは無く、ペットボトルのミネラルウォーターだ。
水は生命にかかわるものだからなのか、それとも人情なのかわからないがありがたい。
まあ、この山は水場が少ないと言うことだ。



またまた石畳をあるく



霧が出たりするが、天候は良さそうだ。
石畳が続くから、ちょっとした公園を歩いているみたいだ。
まるで室堂の様だが、登山道としてはどうかなと思う。





石畳が終わると、やっと山らしい登山道となる。
途中、内輪と外輪の分岐点がある。
山を下から眺めると言う事で、内輪ルートを選ぶ。




左手に見えるのが、山頂の新山だ。溝には残雪がある。



やはり近くで見ると、また迫力がある。
空と雲と山とが調和して、目の前の風景が浮かび上がってくる。
同時に、勾配も急になってくるので、息が切れてくる。



紅葉はこれからだ


自分ではかなりの水を持ってきたつもりだが、予想以上に喉が渇き水が無くなってくる。
頂上付近の非難小屋に泊るから、水は大切にしなければならない。
けれど、結構水って重いんだよね。



頂上付近。奥に非難小屋がある。


頂上の新山の肩あたりに、非難小屋がある。
この辺はちょっとした集落みたいに成っている。

大物忌神社が有り、その奥に非難小屋がある。
扉は無用心に開いていて、いくつかののザックがある。
数名が山頂に登っているようだ。同じようにザックを置き、我々も山頂を目指す。



大きな岩の急なガレ場。足を踏み外すと危ない。


山頂は、火山活動で出来た岩がドーム状になって出来たものだ。
こんな大きな岩が噴火して、宙に舞い上がるのを想像すると、自然の力は凄いものだ。





岩のトンネルがあったり、よじ登ったりで、約20分で山頂となる。
それにしても岩が凄い形で積み重なっている。



新山山頂


山頂から眺めと、足下に雲海が広がっている。
とにかく、雲の造形が素晴らしい。
その雲のおかげで海は遠くにしか望めないが、その雲の下は曇っているとなると不思議な気持ちだ。



指の先は日本海だよ


岩の所々に、何か字が彫ってある。
良く見るとかなり前に掘られているのもある。

Tシャツ一枚なので、さすがに寒くなり撤収。


小屋に戻ると、登り始めに会った同世代(?)の方がいた。
(彼には次の日に水を分けてもらった。感謝だ)
彼も同じく南アルプスに行くはずだったが、台風の影響で断念しここに来たと言う。

残り少ない水でお湯を沸かし、カップめんをすする。
これが泣けるほどうまい。



見事な夕日


何せ雲海と、赤く染まった雲と山を見ながらだからだ。
結局飯はそっちのけで、シャッターを切りまくった。

一体これから先、この様な夕日や景色に出会えるのは、何回ぐらいあるだろうか。
そういうものが多ければ多いほど、豊かな人生を送れるのではないだろうか。
と、まあ冗談は置き、とにかく素晴らしい夕焼けだ。
太陽が沈んでも、辺りにはまだ赤い光が散乱していた。



帰りは外輪コースで



寝袋に潜り込み、他の人がいびきをかいているが、僕は寝付けなかった。
思っていたよりも小屋の中は暖かいのだ。

夜半過ぎに、小屋の屋根に雨音が聞こえ出す。
次の日はあいにくの雨となってしまった。
台風の進路が少し変わったみたいだ。

少し朝寝坊をし、来た道を引き返す。
こんな雨の日でも、何組かのパーティーが頂上を目指していた。
昨日が良い天気であった為、少し気の毒な感じがするが、山の天候はそいうものだ。





下山して、新しい仕事仲間の為に土産を選ぶ。
土産屋は秋田県にあり、山頂は山形にあるから、どちらのを選ぶか迷う。


地方に行くと、現地の人はとても優しく感じる。
特に東京から来ましたなんて言うと、それはそれは遠いところからなどと。

帰りは新潟まで日本海を見ながら、飽きるほど長い電車の旅。
新潟から特急で、朝方東京に着き家でシャワーを浴び、仕事先へ向かった。

なかなかハードな旅だったな。
今度はゆっくり日本海が見たい。





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