- カプリ島へ(南イタリア紀行) -


2006.5.19〜26


この一週間、僕は南イタリアに居た。
ほんの少しだけだけど、日本という国を離れた。
少しの滞在だったが、僕なりにいろいろ考えたことや、感じたことがあったかも知れないが、どうだったのだろう?
結局、日本には日本の流れがあるし、イタリアにはイタリアの流れというものがある。
人間は、その流れに乗って歳月を送っているのだが、ただ言えることは、その流れが日本とイタリアが違うことだろう。

僕が今回旅をしたのは、ナポリからシチリア島にかけての、南イタリアだ。
この辺りは、日本で言うと北海道と同じくらいの緯度なのだが、気温はそれとは正反対にきわめて暑い。
しかし、イタリアの暑さは、日本と違ってカラっとしているから、木陰に入れば涼しいのが特徴だ。
僕は一応ジャケットも荷物として持っていったが、全く使わなかった。

そして驚いたのが、夜の8時になってもまだ明るいという事。
こんなに外が明るければ、一日という感覚も、日本よりも長く感じるのではないか。
イタリアは、夏時間なのだ。


成田から飛行機でミラノ、そしてナポリへ行く。
イタリアは、日本より約7時間遅れて時差がある。



ナポリ市街地


ナポリと言えばナポリタンスパゲティーだ。
もちろんそんなものは日本人が考えたので、ナポリには無い。
ナポリ市街も、中心部はまだ綺麗な方だが、少し離れると街の汚さが目立つ。
大通りの所々に見える看板は、水着や下着を着た女性を起用しているものが多く、結構大胆なものが多い。
治安はあまり良いほうではなく、昼間は良いが夜には出歩きたくない街だ。



ナポリの港周辺サンタルチア


その、ナポリの港から、まず最初の目的地である、カプリ島を目指す。
この島は青の洞窟という、有名な洞窟があるのだ。

カプリ島までは、ハイドロフォイルと言う高速船でおよそ1時間ぐらいだ。
その高速船にポール&シャークと書かれていたから、たぶんポールさんが社長の会社なのだろうか?
ベヴェレッロ港から出港。



カプリ島の港マリーナグランデ


この日は抜群の天候で、青の洞窟も余裕で入れそうだった。
浅場の所はコバルトブルーで、いかにも南国を思わせる島だ。
この綺麗な島の人々は、ほとんど観光業で、生計を立てている人がほとんどだそうだ。
なので、もし僕らが観光に行かなければ、この島の人たちはお手上げなのだ。
日本の島みたいに、漁業や農業などはあまりしていないそうだ。



ガイドのロベルトさん


イタリアの人は、とても陽気で明るい。
ガイドをしてもらった方も、一見怖そうな人のように見えるが、非常に明るくサービス精神がある。
「サア!キョウハアオノドウクツニハイッチャオウヨー!」と、たまにオペラまで出てくる有様だ。
南の太陽の暖かさが、こうした性格を作っているのだが、北に比べ南の方は色々な人種が混ざっているのも関係しているみたいだ。

僕は、最初アリタリア航空のクルーの人を見た時点で、チョイ悪オヤジだと思ったが、イタリア人はみんなそう見えてしまう。
特にイタリアの男性は、目立ちたがり屋、おしゃべり好きで、おしゃれだ。
女性と男性とを比べると、日本とイタリアは逆の様である。






モーターボートで洞窟に向かう。洞窟の前は沢山の観光客が待機している。


僕らは運良く洞窟に入れると言うことだけど、風が吹くと波が高くなり、なかなか入れないらしい。
ここで、さらに小さなボートに、仰向け状態で乗り込む。



さあ、行きますよ!


海面と洞窟の高さはスレスレなので、頭などをぶつけないように。
勢いよくボートを洞窟の中へと滑り込ませる。



青の洞窟内部


洞窟の中は真っ暗だが、水面は水色に光っている。
これは、外からの太陽の光が、海の底で屈折して反射しているのだ。
何とも幻想的だが、次の人が待機しているので、あまりゆっくりはしていられない。
正直、流れ作業的ではあったが、中に入れるだけでもラッキーだったのだろう。

イタリアは、大体においてチップを払う習慣がある。
この場合も、ボートを操縦した兄ちゃんにも1ユーロのチップをあげた。
「チップ、チップ」とうるさいのだ。

1ユーロは日本円で約140円くらい。
公衆トイレ(イタリアでは少ない)を使うのにも、50セントくらいする。






カプリ島の街


港から坂道を登る。
途中にはたくさんのお土産やさんがある。
ここで、有名な物の一つがレモンだ。
レモンを使ったお酒レモンリキュール、そしてレモンのチョコレートや石鹸などが売られている。



島の上から望む


とにかく暑い。空気が乾燥しているので喉が渇く。
イタリアの水も飲めなくは無いが、念のためにミネラルウォーターをペットボトルで買って飲む。
水はアクアと言って、炭酸入りとそうでないものがある。
間違って、炭酸入りのものを買って口に含んだら、これはあまり美味しいものではない。
現地の人は、炭酸入りも飲むみたいだけれど、やはり日本人は普通のナチュラルアクアなのだ。
水はペットボトルでだいたい1ユーロぐらい。日本と変わらない。

水に関しては、日本のほうが豊富である。
イタリアは、あまり雨が降らないし、この暑さなので、水は貴重なのだ。



港の脇には小さなビーチがあった


泳げそうなビーチがあったから、水着を持ってくれば良かった。
けど、泳いでいるのは(というか潜っているのは)、少年だけだったが。

海辺に船をだしてバカンスをしている人は、大体がお金持ちだ。
地元の人も多いが、観光客の大半はヨーロッパの人。

しかし、店の看板には時たま日本語が書かれているのも目立つ。
「オレンジジュース」が「オレンヅヅュース」になっていたり「レモン」が「レモシ」になってたりと、なかなか日本語は難しそうである。
まあ、それだけ日本人の観光客も結構沢山訪れるということだ。





イタリア人はとにかくジェスチャーが凄い。
それはなぜかというと、昔沢山の移民同士の会話が通じなく、そのとき身振り手振りでやり取りしたのが名残に成っているみたいだ。
(南イタリアの方は、元からいた民族をアラブ人が支配し、その後に北欧系の海賊−今のフランス−が攻めてきたから、かなり他民族なのだ)





ジェスチャーの例えは、料理が美味しかった時は「ボーノ」と言って、ほっぺたに人差し指をクルクルとやる。
後はお会計の時は、手のひらにペンでサインするように、人差し指で書くまねをするなど、いろいろある。
このジェスチャーを覚えておけば、イタリア語を覚えなくても大体のことが通じてしまうのではないか?


僕らはまたナポリへと戻り、マテーラなどの都市を目指し南下する。

(つづく)





メニューへもどる



















































































































inserted by FC2 system