- 幻の山塊3 前編 -


2006.8.5


今年あまり山には登っていないのは、自身や仲間の環境が変わってしまった事が原因だ。
とも、言いたくは無いのだが、それでもやっと来た夏に足は長野に向いていた。
 
相棒から、山に登ろうと連絡があった。

どこの山?

それはもちろん八ヶ岳。

忘れていたわけではないが、そういえば八ヶ岳には2度ほど登って、そのどちらも悪天候の中の登山であった。
そうか、そうだったのか、八ヶ岳に登らねば。
再々登頂だ。

相棒は北八ヶ岳を入れれば今回で5回目だが、八ヶ岳には沢山のルートがある。
エキスパートのバリエーションコースを入れれば、相当な数のルートだ。

今回は1回目と同じ、観音平からのキレットへ行く、南側のルートから赤岳を目指す。




今回は天気が良さそうだ!鳥の鳴き声朝日が気持ちが良い


久々に担ぐカリマーは、とても重く感じる。
たかだか2日だけなのに、食料というものはとてもかさばるものだ。
それでも、軽くした方なのだが、結局カメラや三脚が重いのだ。



上り坂をヒイヒイ言いながら登る


その日仕事を終え、その深夜から長野へ向かったのだ。
あまり(と言うか、全く)寝ていないのだ。
睡眠不足と言うのは、思った以上に体にこたえる。




木の根っこが凄いなあ


けれど何はともあれ、とてもラッキーだったのが青く晴れ渡った快晴だ。
携帯電話で釣りの仲間から、相模湾沖からのメールがあったが、向こうでも快晴と言うことは全国的に晴れなのだろう。



ハイマツ地帯になり後ろを振り向けば、南アルプスが見える



あのとがった所まで行く


一度通ったルートではあるが、前回は霧が凄く、ほとんど前が見えない状況だった。
絵に書いたような快晴だと、まるっきり印象が変わる。
正直来てよかったと思った。

そして、太陽が昇るにつれ喉の渇きも増していき、水をガブガブと飲む。



青年小屋が見えてきた





青年小屋の近くに、乙女の水と言うものが有りこれが非常に冷たくてうまい。
まだ標高が高くないところでは、こういった湧き水も沢山出ている。





だから、そういった場所を把握しておくと、水の心配は要らないと思う(まあ枯れてなければ)。






山はアップダウンを繰り返し、頂上にたどり着く。
山あり谷あり。



これはガだろうか、蝶だろうか?


小さな虫やら、蝶が沢山いる。
特に目立つのがトンボだ。
秋でも無いのに、沢山のトンボが異様に目立つ。




右の一番高いヤツが赤岳。左が阿弥陀岳。まだ長そうだ。

やはり雲が出てきたが、赤岳には運良く掛かっていない。
太陽は頭上に位置し、その太陽のおかげで僕はみるみる日焼けしていった。
そして、また水を飲む。




かなり長いハシゴ




こわいよこわいよ


稜線上では、常に赤岳が見えていた。
前回は、霧であったが為に黙々と景色も見ないで歩くしかなかったので、お昼過ぎくらいには赤岳頂上に着いていた。
しかし、今回はゆっくりめなペースで、トレッキングを楽しむ。
一日で山頂へは行かず、その手前のキレット小屋で泊ることにしていたからだ。

スローペースでも時間が余ってしまい、途中でベッドにちょうど良い岩を見つけ昼寝した。
良く眠れた。
昨夜はあまり寝ていなかったから。



赤岳とキレット。かなり急な登り斜面なのがわかる。アタックは明朝だ。


赤岳の由来は、多分そぎ落とされた岩肌が赤く見えるからだろう。
キレットに小さな人影を見ると、赤岳がいかに大きいかわかる。
明日も晴れる事を期待する。



青い屋根のキレット小屋 


標高を数百メーター落としキレット小屋にたどり着く。

赤岳山頂小屋に比べればマイナーな場所なので空いていた。







運良く僕らは個室を与えられた。
お金をケチる為に、カップめんとアルファ米の質素でいて贅沢な暖かい夕食。
ここにも、一応水場があるのだが水の線が細いというのか、なかなかプラティパスに水がたまらない。
水は大変貴重なのだ。



次の日も晴れてくれないか...


食事をし一息ついて本を読んでいたが、次第に暗くなり始めた。
相棒はすでにグウグウと気持ち良さそうに寝ている。
夜の7時くらいだ。

仕方なく本を置き、
目をつぶったら夢の中だった。


(後編に続く)





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