- 幻の山塊3 後編 -


2006.8.6


相棒は目覚まし時計まで持ってきていたのだが、朝はすんなりと起きれたみたいだ。
外を見ると、今日もうっすらと太陽が昇り始めていた。

固形タイプの栄養食を口に頬張りながら、赤岳山頂を目指す。
さすがに何時間だろうか?結構な睡眠時間を取った為、初日よりも足が軽い。
水も昨夜のうちにキープしておいた。

朝のうちはまだ涼しく、キャンパー達も水滴の付いたテントをたたんでいる。



八ヶ岳の朝

 
前回は霧で何も見えなかったが、今回は山頂付近だがくっきりと見える。
そして、次第に山が切れ落ちたキレット部に差し掛かる。

いよいよキレットにアタック開始だ。



急勾配の岩の斜面を三点確保などで登っていく


岩を這い上がっていくと言う感じで、僕はこういった山登りが好きだ。



眼下にはキレット小屋が小さく見える


後ろを振り返ると、昨日歩いてきた稜線が見える。
太陽が昇ってきて、幻想的な朝の風景であるが、足元を見ると少し怖い。



崖の途中に逞しく咲くキキョウ


左手には阿弥陀岳が、朝日の光を浴びている。
山頂付近は自然の豪快さがある。
風も無く、少し標高を上げれば時折立ち止まり、そしてまた登りを繰り返す。



後ろ側は昨日歩いてきた稜線が見える。権現岳。




目と鼻の先に赤岳山頂はあるのだが、なかなかたどり着けない。
日は徐々に登ってくる。



山頂が見えてきた


風景として眺めたいのは、山頂の向こう側であった。
霧が掛かっていない風景は、どんな風に見えるのだろうか?
そういった期待でいっぱいだった。


そして、やっと赤岳山頂に立った。



向こうにも山頂らしきものがあるけど、こちら側が山頂。ちょっと紛らわしいけど。


山頂には人が沢山いた。
前回泊った赤岳山荘で、400円のコーラを買って飲む。
ちょっとしたご褒美だ。






山頂から横岳を望む


横岳、硫黄岳、さらに天狗岳が見える。
山頂を目指して、登ってくる人も沢山いる。
良い天気だ。
やっとリベンジが果たせたので、少し達成感に浸っていると、相棒がすぐに阿弥陀岳を目指すと言う。

ほえ?

阿弥陀岳を見ると、また下ってそこから登ってと、長い稜線が見える。
折角、上まで来たのに、また下がるのかと思うけど、まあ仕方ない。



阿弥陀岳


阿弥陀には途中のコルにザックを置いて、また絶壁の様な上り坂を登る。
ジリジリと夏の太陽が照りつけ、見る見るうちに焼けていった。



阿弥陀岳は赤岳と比べると寂しい。向こうに見えるのが先ほどいた赤岳。


阿弥陀岳を登れば、大体八ヶ岳は全て登ったのではないか。
青空が見えるのは、朝の一番だけで、また次第に雲が掛かってくる。





下山は以外にも早かった。
これから登っていく人もいて、人事のように大変だなあよ思ってしまう。



いやー冷たいなあ


下山は足軽で、あっという間に美濃戸に着いた。
おかげで、早めに帰路に着くことが出来た。

何でもそうだが...
何かに憧れる→挑戦する→失敗する→また挑戦する→また失敗する→意地で再度試みる→何とかうまくいく→とりあえず達成

と言ったものが、僕の行動パターンである。
山あり谷あり。

今回は達成できたことが嬉しい。
霧で見えなかった幻想の山頂が、拝めたからだ。

さて、次回の目標(ターゲット)は?





やはり僕は夏が好きなのだ。






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