- 友人に会いに行く(御在所岳) - 2007.3.24 三重県鈴鹿連峰にある御在所岳(1210m)に遠征登山に行った。
天気予報では土日曜日とも荒れ模様だとの事だったので、せめて午前中だけは雨は降って欲しくなかった。 仕事を終えその日の深夜から、特急ながらに乗り込む。 朝方に名古屋に着いて、窮屈な座席でガチガチになった体で、在来線から近鉄湯ノ山線に乗り換える。 湯ノ山温泉というところで降りて、そこからタクシーで登山口付近の温泉街まで行く。 真新しいホテルや旅館などの建物と、もう前に営業をストップしてすでに廃墟と化している建物が、織り交ぜになっている。 オフシーズンの為か、或いは朝早いせいもあるのか、この温泉街はとても閑散としている様に見えた。 なかなかシーズンで無いと、ここまでお客を呼ぶのは難しいのであろう。 山頂までのロープウェイ乗り場がある 廃墟マニアの方にはたまらないだろう 登山口までは車道を歩いていく。 結構登った所に、やっと登山口があった。 この時点では曇っていたが、まだ雨が降る気配はなさそうだ。 石灰石だろうか、白い岩を削ったような道を登っていく。 予定では昼前に登頂だ。 ロープウェイを使えば、あっという間に山頂に着いてしまうのだが、それでは意味が無い。 もちろんまだ朝が早いので、ロープウェイも動いていない。 なぜ三重の山に登ろうという事になったのは、実は旅の帰り際に名古屋の友達に会いに行くからだ。 友達に会いに行くのがついでなのか、山登りがついでなのか、まあ都合が良かったからだ。 御在所岳。途中にロープウェイの鉄塔が見える 昨日までは全国的に良い天気であったが、この日は雲で覆われていた。 天気が良いと伊勢湾や琵琶湖が見えるらしいが、それすら見えない。 あまりすっきりしない空の下を、山頂目指して登っていく。 所々に大きな岩が立ちはだかる。 少し瑞垣山の様にみえるが、この近辺もロッククライミングとして有名ポイントらしい。 鎌ヶ岳 中間まで登った所で、やっとロープウェイが動き出した。 そのせいもあるかもしれないが、他の登山客とはすれ違わなかった。 一応キレットもある 登山準備をしている時、アイゼンを持っていくか躊躇していたが、結局持参するのはやめた。 しかし、さすがに山頂付近は雪が積もっていた。 アイゼンを装着するまでには至らなかったが、氷上の箇所もあり、三点確保で登りきる。 それなりに頂上付近はハードで、そこをクリアしてひょっこりと頂上にでた。 予定通り11時くらいに着いた。 しかし、なんだか拍子抜けしてしまった。 とても観光化されていて、歩きやすいようにコンクリートになっているし、看板にはレストランアゼリアとか何とか書いてあるし。 そりゃそうだよな、ロープウェイで登ってくるファミリー達がいるから、ちゃんと整備されていなくちゃ行けないのだ。 御在所岳山頂 景色的には曇っていてよく見えない。 この辺りはカモシカが有名らしく、残念ながら見ることが出来なかった。 山頂にはご丁寧に食堂まであったが、僕らはお湯を沸かしインスタントラーメンを食べる。 気温が寒ければ寒いほど美味いのだ。 しかし、折角下界で買ってザックに詰め込んだジュースも、ここではあまり値段も高くなく売っていたのは残念だった。 よく見るとロッククライマーがいる 下山5合目くらいで小雨が降ってきた。 「止め!」と言ったら少し止んだが、また降ってきた。 登っている時に降ってこなかったから、運が良かったのかもしれない。 岩場が緩やかになったところで、僕はレインウェアでなく傘を差した。 豪快な岩壁が聳え立っていて、それに挑むクライマー達も何人かすれ違った。 雨の日は危険では無かろうか。 途中道を少し外し、登山中に命を落とした人たちの碑みたいなものが沢山あった。 自然を相手にする事は、すでに死と隣り合わせだという事を感じさせられた。 同じ山でもいろいろなアプローチの仕方によって、その山の感じ方も変わるのであろう。 ロープウェイで登る、一般登山ルートで登る、ロッククライミングのルートで登る。 登り方は様々だ。 もうほとんど登山終了付近に来て、いまいち道が分からなくなってしまった。 同じように迷っているのだろうか、地図を見ている僕らと同世代位の登山客に相棒が声を掛けてみた。 彼もよく分からないみたいで、共に散策してみた。 いろいろ迷って、結局少し後戻りし、元の場所で下山ルートを見つけた。 何か目印とか看板を立ててくれるとかしないと、ほとんど見逃してしまうほど分かりづらい場所だった。 道なりに歩くとスタート地点の温泉街に着いた。 話をすると、彼は結構山好きで、この辺りの山を登っているとの事だった。 名古屋市内に住んでいて、良かったら市内まで車で乗せて行ってくれると言ってくれた。 これは有り難く、僕らはお言葉に甘えることにした。 車の中で名古屋の事や山話をして、駅前で別れた。感謝。 一年ぶりに友達と再会し、それから3人で市内に繰り出した。 どうせ名古屋に来たのだから、名古屋名物をたらふく食べたいなと、メジャーな場所に行く。 名古屋の人はどうも味の濃いものが好みのようだ。 それでいつものように馬鹿話で盛り上がり、深夜の特急で東京へと帰った。 体はヘトヘトでガチガチになっちまった。 メニューへもどる |