- 武甲山とハマショー -


2014.4.12


今年最初の登山は、秩父にある武甲山(ブコウザン1304m)と言う山。
この山は僕が登山を始めた当初は、絶対登りたくない山であったろう。
まずその見た目が、山の一部が採石所になっている為に非常に見た目が悪い。
これは完全に自然破壊の風景だ。





しかし、僕らの生活には石は必要不可欠なマテリアルでもある。
石や木材もちろん、鉱物を始め色々な物が自然から恩恵を受けている訳であるから、感謝しながら登らなくてはならない。

西武線の駅から登山道まで1時間強歩くが、車道はダンプカーやタンクローリーなどの大型車が行き通い、なんだか埃っぽい。
周辺には、山から採石してきた石を加工したりするプラントや会社が点在しているからだ。





建物からは何かを熱しているのか煙がもうもうと出ており、砂埃で、道路や建物の壁面や植え込みまで真っ白になっている。
プラント自体は自然の中にあるから、そのギャップがミスマッチでとても迫力が有った。
山の上からプラントに太いパイプで繋がれて、石が流れているのが分かる。
その石は色々な工程を経て、加工製品になって行くのだなと考えると、ここは石の工場でもある。
見ていて面白いがここは会社であるから、あまりジロジロと見るわけにもいかないのだ。


さて、やっと登山口に到着し、ここから本格的に登山開始。
新しい登山靴を履いてきているので、今日は履きならし、そして足ならしの為にゆっくりしたペースで進む。





石標に3丁目と書かれているが、登るたびに数字が増えていき、確か頂上が51丁目だろか?登っていてとても目安になる。

登り始めは長袖シャツだったが、すぐさま暑くなってTシャツになった。





相方のボンちゃんは余裕なのか、歌を歌いながら登っていく。
彼はハマショーが好きなので、ハマショーのバラードを歌っていくが、息が切れてサビで終わってしまう。
登り始めはキツイが、思ったより歩きやすいのは、踏み固められた土の道のせだろう。
これが岩だらけだったり、土が浸蝕した階段コースでは、足の上げ下げが多く非常に体力を奪われるのだ。


なかなか迫力のある『32丁目の杉』が出てきてら、あと1時間で頂上だ。





杉もここまで巨大化すると、実に迫力があり神秘的に感じる。
屋久杉ち比べるとアレだけど、この巨木は真下で拝めるのでさらに木の大きさを体感できる。





さて、そんな杉を眺めつつここで昼食。
バーナーでお湯を沸かし、僕はカップ麺とコンビニエンスのおにぎりを、ボンちゃんは愛情たっぷり手作りおにぎりとミスターマックスで買った特大どら焼きを食べた。





腹ごしらえをし、一気に頂上へ。





頂上には数組の登山客が一休みをしていた。
フト思ったが、どーして僕らも頂上で昼にしなかったのだろうか?と変な疑問を抱いてしまった。
まあいい。





神社の奥に展望台が有り、そこから秩父の街を一望できる。





遠くに見えるのは群馬の山だろうか。
足元に広がっている白くなっているのが採石所で、重機が小さくなって見える。

登っている途中、ドーン!ドーン!と重低音が響いたが、ダイナマイトで石を破壊したものと思われる。
破壊時にはサイレンが鳴るから直ぐ逃げてねと注意書きがあるが、なんだかちょっと怖い。

頂上の看板によると、この石灰岩の採掘は、大正時代からはじまり、高度成長期に増加し、昭和中ごろから急速に山容を変えてしまったとある。
つまり、東京オリンピックを境としてこの山は本格的に採掘の山へとなっていったのだ。

休日など関係無く採掘作業が進むが、動き回る重機を見ていると、いずれは無くなってしまうんじゃないかと思ってしまう。
反対に上から見ると、ゴミみたいな重機比べると、山はやはりでかいなと思う。

眼下に見える風景を、グーグルマップで確認すると、よくまああんな遠いところからここまで上がってきたなと思う。

今日は風もなく、雲ひとつないので、実に山登り日和だった。





下山はピストンをせず、山の向こう側に降りるコースをとる。
男子5,6人の学生パーティーだろうか?先に道を譲り先に行ってもらったが(後から着いてこられるとプレッシャーになるので)、中に初心者が居るのか結局また抜き返し先に行かせてもらった。

ボンちゃんはまたハマショーを歌いながら降る。
もしここで、ハマショーとAKBが登ってきたらどちらを取ると言った質問に、ちょっと逡巡してハマショーだと答えた。
でも本当に、ハマショーがギターを担ぎながら登ってきたら、木に凭れゼイゼイと息切れした彼を見てられなかったろう。
まあ、そんな事は絶対あり得ないけどね、たぶん。





2月の大雪の時に降ったであろう雪がまだ残っており、それが木々を倒していたり山もかなりの損害を受けていた。
登山コースが雪で埋もれていたり、挙句の果てに川を渡る橋も無残に壊れて雪に埋もれてた。

迂回ルートも無く、仕方なく雪の上を歩くしかなかったが、これは危険だ。
もし雪が崩れてしまったら、川に落ちてしまうだろうと考えると非常に怖かった。
まだ雪は分厚く、人が乗っても平気だったが、もう少し暖かくなってきたら崩れてしまうだろう。

実のところ、この武甲山の山開きは5月1日である。
雪で足が滑って危うく崖から転げそうになったが、そう言うリスクも全て自己責任なので。





山を流れる川は非常に綺麗で、ヤマメだろうか?岩陰に魚影が2匹見えた。
釣りの解禁が3月と言う事もあり、アングラーも結構居た。





浦山口と言う、非常にかわいらしい駅がゴール。

東京では散った桜だったが、秩父は桜がまだ満開なのでラッキーだった。





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