- 名も無き入江 - 2015.11.1 2年くらい前に、外房勝浦の鵜原と言う所に行った。 この辺りはリアス式海岸で、幾つか入江がある美しい所だ。 隧道を幾つか潜り抜け、綺麗な海岸や漁港などを訪れた。 しかし、この時どうしても行きたかった、ちいさな入江には辿り着く事が出来なかった。 地図上ではかなり近いところを歩いているのだけど、どの隧道を潜れば良いのか、それとも山道を登れば良いのか皆目見当がつかなかった。 ただ帰り際、通って無い隧道があったのでその隧道がアヤシイなと思ったが、その時は「また何時か」と諦めてその場を後にしたのだった。 で、この日その「また何時か」の機会が訪れた。 前回潜った隧道の脇に、上に登る石段がある。 ここを登ってみる。 その階段を登ると、またもや隧道がぽっかりと開いていた。 この辺りの隧道は、東京の地下鉄みたいに立体に入り組んでいるから分かり辛い。 ここは前回は通って無い隧道だ。 早速、奥へ行ってみよう。 すると、どうだろう。 この道を真っ直ぐ行けば、たぶん前回の海岸の辺りに出ると思うのだが、左下に降りる階段がある。 これはアヤシイ。 これは間違いなく行きたかった幻の船着き場へと降りる階段だ。 今度は階段を下りていく。 すると、トタンの小屋が見えてきて、その奥に青い海が見えだした。 これはもしかすると...。 やっぱり! やっと辿り着いた名も無き入江。 前回、ここへ来たかったのだ。 こじんまりとしているが、実に美しい所である。 海が穏やかなので、底が見えるくらい水は綺麗だ。 残念ながら、魚は泳いで無かった。 さらに奥に行くと、船着き場があった。 漁師さんだろうか、男性の声が聞こえてきて、投網か何かを手入れしているのだろう。 それにしても静かなところである。 僕はここで10分くらいボーっと佇んでいた。 この場所でコーヒーでも飲みたかったけど、たぶん味は最高だろうな。 最後は、サーファーが居る海岸へと。 この日は穏やか過ぎて、サーファー達にとっては残念なコンディションだっただろう。 塀に背を向けて座り、日向ぽっこをしていた地元のお爺ちゃん二人が、幾つかの木片を持って真剣に話し合っていたのが可愛らしかった。 果たして、話はまとまったのだろうか? もどる |